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労働情報連載エッセイ⑲:闘いを小さくすれば、失うものは大きい

 労働情報連載エッセイ「若者が変える 若者と変える」の第19弾の紹介です。


闘いを小さくすれば失うものは大きい

 9月19日、「大阪府教委 全校で口元チェック 君が代斉唱で通知」という大見出しが、新聞の一面を飾った。君が代起立条例では飽き足らず、今度は、歌っているかどうか口元を目視によって現認しろという。新聞報道でこの事実を知った私たちは、激しい怒りとともに即刻交渉申し入れを行い、後日団体交渉の場を持った。(府教委は「管理運営事項なので交渉事項ではない」と言いはるが、実際は協議に応じた)これほどの暴挙に、どの組合も黙っていないだろうと思っていたが、他労組も交渉の場を持ったという話は伝わってこない。その事実に、考えるところがあった。

 今夏、アメリカはウィスコンシン州を訪れた。2011年3月、ウィスコンシン州マディソン市では10万人にも及ぶ市民蜂起が起きた。財政再建の名目で、スコット・ウォーカー知事が、職員の賃下げ、団交権の制限等の法案を提案したことに怒りの声を上げた市民が、数日間に渡り州議会を占拠する闘いを繰り広げたのだ。

 マディソンでは、マディソン教職員組合(MTI)と交流した。MTIは、ウォーカー知事が制定した団交権剥奪に抗して、裁判で違憲判決を勝ち取るとともに、市当局と労働協約を締結して、ユニオンショップとチェックオフを維持している。しかし、マディソン以外の地域はMTIのように闘わなかったために、ユニオンショップ、チェックオフ協定を剥奪され、組合員が激減していっている。AFSCME(自治労に相当)では、31,730人から20,488人になり、約12,000人の減。WEAC(州の教員組合)では、98,000人いた組合員が、48,000人まで減少した。ユニオンショップ、チェックオフの剥奪が、組合弾圧の効果的手段であることが、このことでよくわかる。マディソン市以外の労働組合は、闘いを小さくしたために、結果、すさまじい勢いで組合が弱体化している。

 組合員の雇用を守るという労働組合の基本的かつ地道な運動の影響は、組合員個人に留まらず、その枠を越え、雇用を取り巻く社会全体に影響を与えている。その時、その場で、形として目に見えるものは少ないかも知れない。しかし、闘う労働組合が存在することで、労働組合に加入していない労働者も、少なからずその恩恵を受けているのだ。ユニオンショップ、チェックオフの剥奪をきっかけに、労働組合を離れた人々は、そのことに気づいているだろうか。

 ウィスコンシンの状況に、大阪の現状を重ね合わせる。橋下維新は、次々と公教育に攻撃を仕掛けてくる。そのひとつひとつと闘うことは実に大変で、心底疲弊する。しかし、嵐が通り過ぎるのを待っていても、通り過ぎた頃には、根こそぎ全ての権利を失っている。ウィスコンシンの現状を知れば、そのことは明白だ。先にあげたMTIは、闘ったからこそ権利を維持できた。妥協し、相手の流れに飲み込まれ、闘いを小さくとどめていては失うものは大きい。MTIの闘い方に、大阪の教育労働組合が立ち返る姿がある気がする。

2013年11月1日発行 労働情報874号

大椿裕子(おおつばきゆうこ)
大阪教育合同労働組合副執行委員長。大阪全労協青年部。関西学院大学雇止め解雇事件被解雇者。11月9日(土)13時半~@山西福祉記念会館(大阪)にて、関学事件報告会を開催。大椿裕子×栗田隆子さん(働く女性の全国センター副代表・ライター)によるガールズトークセッション「女にとって働くこと、たたかうこと」、聞きに来てください!


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