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労働情報連載エッセイ④:正規と非正規の若者がともに歩けば、それが道になるのだ(と思う)

 大阪全労協青年部が持ち回りで執筆している、労働情報連載「若者が変える 若者と変える」の第四弾です。


正規と非正規の若者がともに歩けば、それが道になるのだ(と思う)

 「私立高非正規教員36%」
 これは、2012年10月13日付の朝日新聞タ刊に掲載された記事のタイトルだ。私立の教員には、専任教諭(=正規雇用)、常勤講師(=フルタイム勤務の有期雇用)、非常勤講師(=時間勤務の有期雇用)、の別がある。このうち非正規である常勤講師と非常勤講師は1年契約で、更新回数の上限が決められている場合が多い(だいたいが2回。つまり3年間の雇用)。とくに常勤講師は、「勤務成績により専任教諭への登用の道あり」という誘い文句のもとで雇用され、専任教諭と同等の仕事(担任やクラブ顧問まで!)をまかされる。常勤講師たちは専任教諭になりたいから、本人としては一所懸命なのだが、悪く言うと、学校への忠誠合戦、過当競争を繰り広げてしまうのである。無理もない。しかし、常勤講師のうち、専任教諭に採用される者はわずかであり、結局、その他の者は雇止め解雇の憂き目に遭い、他の学校を渡り歩かざるをえない。そして、彼ら彼女らが去った後、また新しく雇用された常勤講師たちの競争が繰り返される。これが、多くの私学の実態である。

 僕も大阪の北部にある某私学に常勤講師として採用され、専任教諭になるべく、あくせく働いた。毎日7~8時頃までは働き、土曜も授業、休日も部活やら課外活動やらで休めないことも多かった。そして、僕は勤務3年目に雇止め解雇通告を受けた。校長曰く、その理由は「ほとばしる情熱がないから」「立ち振る舞いが校風に合わないから」「常勤講師は3年の有期雇用」などであった。僕は、プライベートの時間の多くを犠牲にしたあげく、こんなことでポイと辞めさせられることが悔しかった。そして、こんなこともあろうかとあらかじめ調べておいた非正規でも入れる労働組合に即日、相談し、加入した。その後の団体交渉の結果、雇止め解雇を撤回させることができ、常勤講師7年目として、僕の首は今でもつながっている(ちなみにこの私学の非正規率は60%以上!)。

 僕が声を上げられたのは、運良く、そうできる条件が整っていたからだと思っている。まだ両親が健在で、「食いっぱぐれたら、スネをかじらせてもらおう」、と密かに考えていたし、それなりに貯えがあった。そして、応援してくれる友人もいた。さらに、非正規問題の相談にのってくれる労働組合の存在があった。

 正規と非正規の壁は厚い。それは制度の壁である以上に、僕たちの意識の壁だ。非正規が立ち上がっただけでは社会は変わらない。

 正規は非正規を自己責任論で切り捨て、非正規は正規に劣等感を抱きつつ「仕方ない」と思わされる。どちらも不幸だ。いずれ次の世代にとっての親世代になる現在の若者は、正規であろうと非正規であろうと、この問題について責任がある。だから、「若者が変える」とは、この壁を取り払うために、非正規とともに、正規の若者も変わることでしかないのだと思う。自分の職場から始めるしかない。

 中学「国語」の教科書にも載っている魯迅の小説「故郷」の有名な最後の一文「もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」はその通りだと思う。

労働情報857号 2013年2月15日発行)

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