スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

労働情報連載エッセイ⑥:母校になぜ裏切られるのか

甲南女子労働情報

 労働情報連載エッセイ第6弾の紹介です。
今回は、ここ最近、このブログでも紹介してきた、甲南女子大雇止め解雇事件の当該が執筆しました。

母校になぜ裏切られるのか

 私たち甲南女子大学臨時職員は、この3月末をもって約15名が雇止め解雇となる。臨時職員の多くはこの大学の卒業生だ。卒業生の旧友たちに話すと、みんなに「嘘?」と驚かれる。


 2008年3月、派遣スタッフとして入職したが、2010年1月下旬、派遣会社から一本の電話があった。「契約は2010年3月末をもって終了です。今後は大学の直接雇用となります。」という内容だった。

 説明会に出席して驚いた。直接雇用とはいえ正規ではなく、派遣時より時給が低い臨時職員、契約は1年毎で最長3年までだったのである。この条件をのまなければ、退職するしかなく、今ここで仕事を手放したくないという切羽詰まった思いがあった。

 両親の介護や、退職すれば子どもを保育園に預けられなくなるワーキングマザーもいた。説明会では労働条件のみを告げられ、ただ「継続を希望するかしないか?」という調査用紙が配布された。締め切りまでにひと月もなかった。

 何かがおかしいという思いは抱いていた。しかし口に出せば「雇用してもらえなくなる」という不安がつきまとった。

 昨年「次年度更新なし」と告げられた。私たちの気持ちを顧みず、上司は「いつもより多く頭を下げています」などと茶化し、私たちを傷つけた。何気ない正規職員の言葉に傷つくことがある。業務も減った。その頃から、母校の為に貢献してきた日々は何だったのかと思い始めるようになった。

 正規・非正規という違いはあるが、同じ労働者、人間として守られなければならないルールやマナーがあるはずではないか?対等な扱いを受けたい、自分の地位を確かめたいと思い始めるようになった。

 業務指示や職員の対応にさらに疑問を感じるようになった。長く母校に貢献してきたのに、なぜこのような不当な扱いをされなければならないのか。この気持ちを理解してもらいたいという思いで、大阪教育合同労組へ加入、団体交渉で雇用の継続を勝ち取る決意をしたのである。

 大学の人事政策に疑問を抱く者は他にもいた。しかし、派遣などの期間雇用で働くことに慣れてしまっており、独特の割り切った労働意識・人間関係の距離の置き方・期待を抱かない癖がついており、声を上げるものは他にいなかった。

 今年1月には後任の臨時職員の募集が始まった。つまり、仕事は今後も継続する恒常的なものであることは明確になった。単に首だけをすげ替えるのだ。

 母校の新卒者にも募集を呼びかけている大学は、団交の席で次のような回答をした。「臨時職員は就職難に喘ぐ学生たちの救援策、3年間を社会訓練の場とし、ステップアップしてもらいたい」と。

 人を育て、社会に送り出す役目を担う教育機関が、有期雇用を率先し、非正規雇用の拡大を推進している。労働者を短期で使い捨てるという人事策は、果たして社会に誇れるのだろうかと問いたい。引き続き雇止め解雇の撤回を求めていくつもりだ。

寺本るつ(てらもと るつ)
大阪教育合同労働組合 大阪全労協青年部。
上限3年の臨時職員として甲南女子大学に勤務。
2013年3月末雇止め解雇撤回を目指し争議中。

労働情報859号 2013年3月15日発行)

スポンサーサイト
プロフィール

ozspring

Author:ozspring
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。