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有期雇用に関する厚労省指針について

 厚労省が有期雇用に関する方針を出た。
以下は、新聞報道の内容。

【有期雇用:期間に上限 3~5年後、「無期」転換義務づけ--厚労省方針】

 厚生労働省は14日、派遣労働者や契約社員に代表される、雇用期間を定めた有期雇用契約について、契約期間に上限を設け、働いた期間が上限を超えれば雇用期間に定めを設けない無期雇用への転換を企業に義務づける方針を示した。義務づけの対象は、無期雇用への移行希望者とする。雇用を安定させ、非正規雇用労働者を保護する狙いがある。上限期間は3~5年を軸に今後、検討する。【鈴木直】

 厚労相の諮問機関、労働政策審議会労働条件分科会に提示した。同省は、同審議会で労使の合意が得られれば年内に報告書をまとめ、来年の通常国会に労働契約法改正案などを提出する意向だ。

 厚労省の推計によると、現在有期雇用の労働者は約1200万人で、全労働者の4分の1を占める。労働基準法上の契約期間は原則3年だが、更新はできる。厚労省の調査(11年)では、最多の勤続年数は「1年超~3年以内」(25・7%)である一方、「5年超~10年」(17・8%)や「10年超」(11・7%)と長期間働いている人も少なくない。

 ただし、更新時期ごとに契約打ち切りの恐れがあり、有期雇用の労働者は不安定な立場に立たされている。このため、厚労省は一定期間以上雇った労働者については、本人の申し出があれば無期に転換することを義務づける。

 それでも、上限を設けると、その前に企業が契約を打ち切る「雇い止め」を招く恐れもある。14日の同分科会では、経営側委員が上限期間について「人材見極めなどに十分な年数が確保されなければ雇い止めせざるを得ないかもしれない」と発言する場面もあった。また、厚労省は無期雇用に変わった後も「有期契約時の待遇を引き継ぐ」としており、正社員との格差は残る。

毎日新聞 2011年12月15日 東京朝刊
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 「・・・上限期間は3~5年を軸に今後、検討する」とのことだが、多くの場合、数ヶ月~1年ごとの契約更新で、3~5年を上限とし雇い止め解雇になっているのだから、上限を設けることを認めるのであれば、何ら非正規労働者の保護にはなっていない。中途半端だ!

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【「有期労働」市場を育て日本経済を元気に】

 前臨時国会で継続審議になった労津者派遣法の改正をめぐっては、規制を強化する政府案が修正された。民主党は自民、公明両党との協議で、仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ登録型派遣と製造業への派遣の原則禁止を取り下げた。雇用を悪化させかねない政府案の見直しは当然だ。

だが、これで労働規制強化の動きに歯止めがかかったわけではない。労働政策審議会ではパート、契約社員など期間を定めて契約を結ぶ「有期労働」全体への規制の議論が大詰めを迎えている。

焦点は一定の年数を超えて契約が更新されている場合、本人からの申し入れがあれば、期間の定めのない「無期」雇用に転換出来るようにするかどうかだ。派遣労働者数が6月1日時点で約122万人なのに対し、有期契約で働く人は派遣を含め、10倍の1200万人にのぼる。規制が強化されれば影響は極めて大きい。

連合などの労働側は、有期労働は低賃金で雇用が不安定なため、これを制限して企業に正社員など無期雇用への切り替えを促すべきだとしている。しかし規制強化には弊害がいくつもある。

まず、かえって雇用を減らす懸念がある。経済の先行きが不透明なため、期間の定めがなく人件費がかさむ雇用を企業が増やすことは望みにくい。無期雇用への転換を義務づけられることを嫌った企業が、パートなどで働き続けてきた人たちとの契約を早めに打ち切る動きが広がりかねない。

有期契約の労働力が活用しにくくなれば、企業の海外生産移転が加速することも考えられる。雇用不安が深刻になる恐れがある。

有期契約は人を雇いやすくし医療や介護など需要のある分野が人材を手当てするのに役立つ。規制で使い勝手が悪くなれば、こうした成長分野の担い手が増えにくくなる。東日本大震災の被災地が新産業を伸ばす障害にもなろう。

非正規労働者には正社員と同様の仕事をさせながら低賃金のままにしている企業には改善を促す必要がある。だが非正規の人たちの処遇の底上げは経済・産業を元気にすることが先決だ。賃金などの労働条件を引き下げるには企業の収益を増やす必要があるからだ。

 企業の競争力低下を招く規制強化は非正規労働者の待遇改善につながらず、逆に悪化させる心配がある。有期の労働市場を育てることが働く人たちのためになる。

2011年12月15日 日本経済新聞 朝刊
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 「日経だから、経営側の視点で書くのは当然か・・・」と百歩譲って考えてみても、あまりにも労働者の人権を無視したこの書き方に、有期雇用を理由に解雇された当事者としては怒りが収まらない。
「民主党は自民、公明両党との協議で、仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ登録型派遣と製造業への派遣の原則禁止を取り下げた。雇用を悪化させかねない政府案の見直しは当然だ。」何が「当然だ」なのか!登録型派遣と製造業への派遣を禁止しないのであれば、労津者派遣法は骨抜きだ。


「まず、かえって雇用を減らす懸念がある」
「有期契約の労働力が活用しにくくなれば、企業の海外生産移転が加速することも考えられる。雇用不安が深刻になる恐れがある」
「企業の競争力低下を招く規制強化は非正規労働者の待遇改善につながらず、逆に悪化させる心配がある」

と繰り返し、有期雇用への規制強化を行えば、「『有期雇用でも』働けている人たちですら、仕事を失う状況になりますよ」と脅している。必要な時に、必要なだけ雇い、必要がなくなったらクビが切れる「使い勝手」のいい雇用の調整弁がなくなるのは困るんだと正直に言えばいい。「規制強化は労働者側のデメリットになりますよ~」「あなたたちが、自分で自分の首を絞めることになるんですよ」というこの記者の書き方に、中立性なぞ、はなからない。

 「有期契約は人を雇いやすくし医療や介護など需要のある分野が人材を手当てするのに役立つ。規制で使い勝手が悪くなれば、こうした成長分野の担い手が増えにくくなる」
「使い勝手」などと書かれる時点で、非正規労働者が雇用の調整弁であることがよくわかる。しかし、人の命や日々の生活を支える医療や介護こそ、経験を積んだ労働者を必要とする。数年で雇い止めになるのであれば、経験を積むことも出来ず、能力のある労働者を育てることも出来ない。

 雇用期間に期限が設けられているという問題から、いつの間にか低賃金であることに話がすり替えられている。まず私たちが言っているのは、「恒常的な仕事ならば、数年ごとに雇い止めにし新しい人と入れ替えるのではなく、雇い続けろ」ということだ。
 
 「有期の労働市場を育てることが働く人たちのためになる」
本当か?本当にそう思っているのか?
有期雇用の労働者が、「自分たちのためになる」と思っていると思うのか?


 正直に言えばいい。
「有期の労働市場を育てることが私たち(経営側)のためになる。
労働者の人権は二の次だ」と。

 このような、非正規労働者の人権を全く無視した社説が堂々と掲載される時点で、このたたかいは先が長いと感じる。「日経だからこんなものか」と諦めず、野放しにせず、きちんと反論を伝えていく覚悟だ。
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